よく聞かれるんですよ。「なんであの関節技でギブアップしてしまうのか? ロープに逃げるまで我慢すればいいじゃないか」と。プロレスには,ロープから外に手首や足首が出れば,互いに相手から離れなければならないという不可解なルールがあるの。通常はロープエスケープと呼ばれるんだけど,要するにはロープに逃げればフォールや関節技・締め技が無効になるという認識でいいかと。だから,見ている側からすると,ロープを掴むまで我慢すればいいじゃないか,ということになるわけですね。
でもこれは,皆さん勘違いをしています。多くの場合,我々は関節技が痛くてギブアップするんじゃないんです。関節技は痛いんだけれども,我慢できます。もちろん,我慢ならないものもあります。でも,たいていは我慢できます。ただ,ロープが遠い場合,長く我慢しなきゃいけないという絶望感に,心が折れてしまうのです。突き詰めると,メンタル面が弱いからギブアップをしてしまうわけですね。
だから,身体を鍛えているイメージが強いでしょうが,プロレスラーにとって本当に大切なのは心の強さなのです。スクワットは身体を鍛えるためではなく,心を鍛えるためにヤっていて,気付いたら副産物的に身体も鍛えられていただけなのですよ。言い換えれば,プロレスラーに身体が大きな人が多いのはスクワットによる偶然なのです。要は,精神論なのです。